へたれるぐらいなら、泣けばいいのに。 そうしたらあなたは、また笑えるのでしょう? 『神様プログラマー ビビッドオレンジと水平線』 序章 彼女は彼を愛していた。 彼は彼女を愛していた。 彼女にとって、彼は希望であり、彼にとって、彼女は光だった。 世界は鮮やかで美しかった。 彼は机の上の紙を見つめた。彼女を責める事は出来なかった。 原因は自分にあると知っていた。 彼は何も言わず、ただその紙にサインし、印鑑を押した。 それだけで、世界は色褪せた。